千年企業研究会

2017
2016
バックナンバー
第49回

キャッシュフロー計算書について(3)

■今回の講義内容について

前回に引き続き、キャッシュフロー計算書について取り上げたいと思います。今回はその結びとして「キャッシュフロー計算書はどうやって作成するのか」について講義を進めたいと思います。

■キャッシュフロー計算書の作成について

キャッシュフロー計算書は大きく(1)営業活動キャッシュフロー、(2)投資活動キャッシュフロー、(3)財務活動キャッシュフローの3つに分けられます。

(1)は通常の事業活動に関係するC/Fで最も大事な項目と言えます。金利、配当等が含まれ、経常利益とほぼイコールの関係です。この項目がマイナスですと、その企業は要注意と言えます。(2)は不動産、有価証券等の売却、投資に関係する項目です。プラスであれば資産を売却、マイナスであれば設備や株式に投資した、といったことが読み取れます。(3)は借入や返済に関係します。プラスは金融機関からの借入、マイナスは金融機関への返済、増資・減資もこの項目に関係します。

そして、これら3項目は(1)が間接法か直接法、(2)と(3)が直接法で作成されます。直接法は家計簿のイメージに近く、売却や購入、借入等について、逐一記入します。これは重要度が高いのと同時に件数が少ない為です。他方、間接法については当期利益をベースに、各勘定科目について現金の動きを反映させます。

例えば、減価償却費や引当金は費用として計上されますが現金は手許に残っています。前者は購入時に現金を支払っており、後者は賞与や退職金等に備えているため、計上時に現金は動きません。よって、キャッシュフロー計算書作成時にはプラスで計上されます。この他、掛取引では商品の売買について、現金を受け取っていない、又は支払っていないということで、それぞれ増減がキャッシュフローに反映されます。

この様に現金の流れを客観的に示すのがキャッシュフロー計算書です。損益計算書は会社の意見に左右されるのに対し、実際の現金の流れを計上していきます。

■キャッシュフロー計算書の演習問題

図1

今回はキャッシュフロー計算書について、演習問題を出したいと思います。ここに6社のキャッシュフローがあります。この中から良いと思う会社と悪いと思う会社を1つずつ選ぶというものです。

まず営業C/Fで見ますと、CとDがマイナスで要注意です。しかしながら、Dは赤字でありながらも、金融機関から多くの融資を受けています。銀行から後押しを受ける投資をしているのかもしれません。他方B社は利益を上げて、投資も強気です。E社は利益を上げつつ不動産を売却しており、財務体質の改善を図っていると見えます。A社は手許に現金を多く残し、次なるチャンスを待つ手堅さが感じられます。

実は今回の問題に1つの正解はありません。何を評価するかで、どこが良い企業であるかが変わってくるためです。

2016年3月 開催

ページの先頭へ