千年企業研究会

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第50回

財務分析について(1)

■今回の講義内容について

今回から会計学の結びとして財務分析について取り上げます。これまで会計学では簿記の精神から始まり、仕訳、勘定科目、財務諸表(B/S、P/L、C/F)を1つの流れとして取り上げてきました。これらは経理担当者であれば必要な知識ですが、社長の立場であれば、知っていることに越したことはありませんが、必ずしも知らなくてはならないというものではありません。社長にとって特に大切なのは今回取り上げる財務分析です。財務分析によって、会社の正しい方向性を決定することが社長の重要な役割のひとつですので、心してお聞き頂きたいと思います。

■財務分析の分類について

財務分析は言うなれば「経営分析」であり、ひいては「会社分析」と言えます。経営分析は数字で表せない「定性的分析」と数字で表すことができる「定量的分析」に大きく分けられますが、本日は前者について取り上げたいと思います。

「定性的分析」とは、画一的な数字や点数等を基にした客観的な評価が出来ない会社の適応力や経営力の分析の事を言いますが、具体的には(1)業界の将来性、動向、(2)企業の競争力(強み、弱み)、(3)経営者(及び従業員)、(4)組織力といった項目で評価します。

(1)は大局的な視点となります。パチンコ業界で言えば、以前は3,000万人だった競技人口が、今は1,000万人になっています。これが今後どうなっていくのかを考えていく、というものです。雲を掴む様な話ですが、忘れてはいけない視点の1つと言えます。

(3)は一見、会社の分析に結びつかない様に思われますが、意外と企業の体質に表れてきます。経営者が創業者、ワンマン、天下り、生え抜き、サラリーマン社長等のいずれのタイプであるのか、経営者を深く見つめると見えてくるものがあります。ワンマン社長は創業期から成長途中の段階では許されますが、ある程度の規模に成長してからは、合議制に則ることが望ましいかと思います。

(4)の組織という観点で重要な項目が労働組合の存在です。労組は闘争的なものと民主的なものに大別されます。前者は経営陣と闘って、労働者にとってより良い条件を引き出していくもので、後者は経営陣と話し合い、譲るところは譲って会社の存続を図るものです。労働組合も力を持ちますと、経営陣にとって無視できない存在となってきます。労働組合のあり方によっては、企業業績を大きく左右する事もあり、経営者を知る事と同じく重要と言えます。これらも忘れてはいけない視点と言えるかと思います。

2016年4月 開催

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