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第53回
財務分析について(4)■借入金の適正額について安全性分析に入る前に、収益性分析における借入金の適正額について取り上げたいと思います。設備投資に関する借入額については次の式で算出されます。 『 設備の借入額÷(当期利益+償却費)= 7~8年(妥当な水準)※ 』 例えば、借入額が1億5000万、当期利益が500万、償却費が1000万円だった場合、算出結果が10年となり、金融機関等は「過大な借入である」といった判断をします。借入額の総額の適正額は次の式となります。『 借入額の総額÷月商 = 』で算出される数値で業種ごとに判別されます。メーカーなら3倍、商社なら6倍が適正というように、ひとつの水準として用いられます。借入額が多いということは金利も増えますので、収益性に影響します。ひとつの視点として覚えて頂きたいと思います。 ■安全性分析について安全性分析とは、その企業が倒産しないか、という点について分析するものです。まずは「現預金の残高(3ヶ月定期まで)」が挙げられ、これに勝るものはないという側面もあります。しかしながら、様々な指標がありますので、これらについて取り上げたいと思います。 (1)自己資本比率 【 自己資本 ÷ 総資産 】 (2)流動比率 【 流動資産 ÷ 流動負債 = 200%以上が理想 】 (3)当座比率 【 当座資産÷流動負債 = 100%以上が理想 】 (4)固定比率 【 固定資産 ÷ 資本勘定 = 100%以下が理想 】 (5)固定長期適合率 【 固定資産 ÷(資本+長期借入金)= 100%以下が理想 】 安全性分析においては上がってきた数字を鵜呑みのするのではなく、中身を注視する必要があります。不良在庫を抱えていないか、含み損はないか等、資産全体に不良がないか確認することが重要です。 2016年7月 開催 |