千年企業研究会

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第64回

経営者に必要な労使関係の考え方について

■個別の労働紛争において、労働者が相談する場とは(前回からの続き)

(5)管理職ユニオン
管理者は労組を作れないのですが、管理職に就いている人を対象にした管理者ユニオンがあります。こちらはサラリーマンユニオンと同様、外部団体になります。

(6)弁護士
労働紛争が解決しない場合、弁護士を通じて民事裁判や労働審判制度を利用して解決する方法があります。民事裁判は金銭的にも時間的にも負担が大きいものです。そこで近時、労働審判制度が施行されこの制度は労働審判委員会が裁判の解決策を斡旋して解決を図る制度です。労働審判制度では通常3回までの法廷で判決が言い渡されます。通常の民事裁判よりも労働者にとって費用と時間が掛からない制度と言えます。

(7)都道府県の労働局
都道府県の労働局には総合労働相談コーナーや、又は労政事務所の中に労働相談情報センターがあります。労働者は労働局で個別紛争についての相談ができます。相談後、相談員が必要と認めた場合には経営者に勧告や指導がされることがあります。

(8)労働基準監督署
労働基準監督署は会社が労働基準法を守っているか監督、指導するための公的機関です。労働者は署内の相談コーナーに相談することが可能です。相談員が必要と認めた場合には会社に対して立ち入り調査を実施することがあります。

(9)ハローワーク(公的職業安定所)
ハローワークにも労働者の相談コーナーがあります。相談員が認めた場合には相談員から経営者に連絡が行くことがあります。

以上、個別の労働紛争において、労働者は色々な組織、機関に相談することができます。経営者は、下記の三原則を守って経営をする必要があります。

■経営者に必要な労使関係の考え方について

経営者にとって個別の労使関係で大切な考え方が3つあります。(個別労使関係三原則)

1 社員から不満が出たら、最初に直属の上司や人事部長に持ち込まれる事が普通です。社員の不満に対して親身になって考え解決するのが重要です。
2 自分が社長になったら自分こそ労組の委員長だと思って経営に当たることが重要です。すなわち従業員を大切に思い従業員あってこそ会社は存在できるという原点を忘れないことです。
3 労働基準法は経営者が絶対に守らなければならない最低基準であるということを片時も忘れてはいけません。 以上私が考える労使関係を良好に維持するための「基本三原則」です。

■個別の労働紛争について

個別的紛争の原因は主に(1)賃金、(2)休暇、(3)残業手当、(4)セクハラ・パワハラ、(5)採用・退職等があります。会社に対する不満は概ねこの5項目に当てはまると思われます。この中の各項目の重要なことについて話をします。

(1)賃金
経営者にとって重要なことは最低賃金を守るということです。定例給与についても規定に応じて支払わなければなりません。

(2)休暇
経営者は労働者に法定休日の日数は休ませなければなりません。また就業規則で決められたものは守らなければなりません。また有給休暇について現在は消化率100%が当たり前の時代になっており、消化率が100%になるよう努力することが当然の時代がすぐそこに来ています。

次回は(3)の残業手当からになります。一通り終わったら集団的労使関係の話を取り上げたいと思います。

2017年7月 開催

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