千年企業研究会

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第71回

社長には何が必要か?

■社長には何が必要か?

 M氏の「会社をつぶさず、安定した経営を続ける10か条」ついて
新聞広告等でご存じかもしれませんが、同氏の本「社長の基本」を購読しました。同氏については、以前NHKで「140億円の借金を8年間で完済した男」というタイトルで同氏をドラマ化しており、読んでいる途中で、昔TV(NHK)で見た方だと気づきました。 TVの内容についても、記憶に残る映像でしたが、その本の記載内容で、これから企業を経営する社長となる心構えとして、心に留まった10ケ条話をさせて頂きたいと思います。
 ≪M氏の経緯≫
 父親は、飲食店、バー、マンガ喫茶他を経営していた法人の代表取締役で、事業については順調に推移しておりました、しかしながら、時が経つにつれ、人の意見を聞き入れない超ワンマン経営者となり、やがて、会社の詳細な状況も見過ごし、徐々に経営状態が悪化。いつのまにか、酒豪で、酒乱であったことから従業員への暴言を吐きまくり、誰も抑えることができない人物となっておりました。
 阪神淡路大震災の前後は不明ですが、その父親が亡くなり、正妻他の子ども(5人)のうちの一人であったそうです。なぜ事業を承継することになったかというと、当時の社長からの強い指名で継ぐことになったそうです。M氏はもとも大手会社の営業マンであったことから、細かい数値等の理解は深くはなかったものの、経理の実態を見て唖然としたそうです。法人負債が約140億円。さらに、阪神淡路大震災の影響にて40億円の資産を失うことになったそうです。当時は、100%返済出来ないと思っていたそうですが、社長である以上、全ての借入について個人保証をしており、さまざまなハンデがあったなか、さまざまな戦いが始まります。
 承継当初、赤字店舗が6割以上もあり、このままでは、100%返済不可能と判断。赤字店舗については、次々と閉店していく一方で不動産賃貸業を開始。さらに次の手として、各金融機関へリスケの交渉を実施し、財務改善を図った。今は、優良店舗を残し、借入金は0。本人は、企業再生に関するコンサルタント業および講演、本の執筆を行っているそうです。借入金返済のために、いろいろな手立て企てる中、賃貸、売買に進出した経緯もやはり負債額が大きかったことから、金額が大きく動く不動産業を開始したとのことです。
(1) 人の言葉を素直に聞き入れる。
 父親はワンマンであったことから、人の言葉を聞き入れず(社員の意見は、ほとんど頭ごなしに否定)に、自分の思うがまま会社を経営していたそうです。そのワンマンぶりを見て、同じことをしては、駄目であり、従業員の言っていることをよく聞くことが大事であると著書の中で言っております。松下幸之助も同様に、人が成功するために必要な資質は「素直」なことであり、「素直さ」が経営を良くすると言っていることを常に念頭に入れて、経営者は結果が全てであり、結果が悪かった時には、特に人の意見を謙虚に聞く姿勢を貫いたそうです。
(2) 変化を見逃さない
 病気(癌)に例えた話をしており、末期がんになっては助かる見込みはないのですが、病気治療については早期発見、早期治療が大切であり、同様に会社経営についてはいい時も悪い時も様々な局面を迎えることとなりますが、悪い場合には、何かの兆候が出ているサインを見つけ、また、船の操縦と同様で、社長は従業員と同様に船を漕ぐ必要はなく、船長(社長)は遠くを眺めて、黒い雲を発見したら、被害を最小限に留めるため、帆の方向を変える等の指示を出す。異変に気が付くことが大事。
(3) 問題解決は柔軟に対処する
 経営の問題解決というのは正解がない。360度(全方向)から対策を練らなければならない。活路のカギは意外な場所にあることを言っています。例えば、お店が流行らない場合、内装に変化を付けることも一つの手段ですが(内装変更は失敗)もっと細かい部分である接客の姿勢等の改善等を図り(例えば、従業員の提案にて、目線を下げてお客様のオーダー等を聞く等)徹底していくと、店の売上は上がると言っております。
(4) ブームに乗らない。追いかけない。
 カラオケ、ボーリング等、流行を追いかけましたが、すぐ飛びつくと失敗する。投機(一攫千金を目的:株式、ビットコイン)は行わない。新規事業は、成功確率をきちんと精査して実行する。
(5) 後ろ向きの考え方をしない。
 苦しい時ほど、前向きな言葉で語りかける。怒ってはいけない。その中で、売上、利益は下がっている真実は伝えなければいけませんが、情報は必ず共有するようにする。また、苦しい状況になった場合でも、必ずスタッフの意見はないか?を聞き、最大限、協力する旨を伝える。
(6) 会社の基本的な数字をつかんでいる。
 経営者は細かいことを理解するよりかは、大まかな数字(売上・利益)を主に把握する。悪いとは言いませんが、精神論的な細かい部分における削減というよりは、経費の多い項目の3つに注目して削減が可能かどうかに傾注して考える。
(7) リスクを分散している
 店舗閉鎖等、様々なことを集約していく中で、一極集中型は危険であり、3つほどの事業の柱を持つ。10~20の業種に係ることはデタラメです。どんな経済状況下において、臨機応変に対応する。(当社は、現状、パチンコ、不動産、ホテルの3業種に集約し、もし、そのうちの一つが厳しくなっても別事業で賄う。)
(8) 営業力以上に経営力を重視している。
 社長として営業、売上重視の視線で見ているだけでは、営業部の営業マンと同じであります。営業マンが売上を上げることに注力することは、会社にとって非常にいいことだと思いますが、その部分のみを取り上げても駄目であり、ちょっとでも賢い営業マンであれば、少なくとも利益が上がらないような営業をしても無駄ということに気づきます。営業は大事でありますが、それだけでは駄目で、社長たるもの総合的な見方をできることが経営力強化に繋がっています。
 過去何度か話をしたことがありますが、経営とは?という表題について下記の方が語っていることを復習したいと思います。
❶経営とはバランスと常識である D
❷経営とは倫理である 名誉会長・I氏
❸経営とは計数である K
❹経営とは時代認識である T氏
❺経営はセンスである K氏
上記の事を総合的に考えるのが経営であります。
(9) キャッシュフローを健全に保っている
❶営業CF(通常の営業CF)
❷投資CF(不動産)
❸財務CF(金融)
 企業経営においてキャッシュの有高は非常に大事。理想は、営業キャッシュフローですべてを賄うことができればいいですが、もし不足している場合については、借入、資産売却をして、資金を用意しなければならない。ご存じの通り、最終的にキャッシュが枯渇したとき倒産することになることから、キャッシュフローを健全に保つことを強調してます。
(10) 捨てる勇気を持つ
 赤字(創業赤字は除く)企業については、店舗売上-家賃-返済=▲となった場合は、どこかで見切りをつけて勇気をもってやめる。しかしながら、今まで続けていたものを止めることに対する反発力(社内等)はものすごいもの物があったと思いますが、それに屈することなく、決定していかなければならない。

    次の労務管理については次回に回したいと思います。

2018年3月 開催

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